「本日のパル」
冬冶さんのエッセイ・・・・・
『鳥 インフルエンザ』
鳥インフルエンザが蔓延し、遂に日本でも79年ぶりに山口県に発生した。
周防灘を越えて大分県にも発生している。
鳥インフルエンザが恐ろしいのは、養鶏の大量死亡や外食産業への悪影響以上に、人から人へと感染する新型インフルエンザの出現が懸念されるからである。
今回の発生では、ベトナムなどでは、疑わしい例はあるが、いまのところ人から人への感染はまだ認められていない。
これまでのインフルエンザは毎冬になると流行するが、ウィルスのタイプも予想されワクチン接種などの対策が確立しているので大流行の心配は少ない。
過去に新型インフルエンザが世界的に大流行し、多くの死者を出した例として、1918年スペインカゼ(H1N1型)、57年アジアカゼ(H2N2)、68年香港カゼ(H3N1)が良く知られている。
これらのウィルスはもともと鳥由来のA型ウイルスなのである。
これらと型が異なるウィルスは長いこと出現しなかったが、97年になって香港でニワトリやアヒルに流行した毒性の強いH5N1型と呼ばれる新型ウィルスで18人感染し6人死亡した。2003年にも中国福建省で3人感染、2人死亡した例が報告された。
そして韓国のニワトリに大流行し、ついに日本でも発生が認められたのである。
これらはいずれもH5N1型のウィルスによるものであるが、オランダではH7N7型、香港ではH9N2型の発生が認められている。
インフルエンザウイルスは通常、型によってかぎられた動物にしか感染しないものである。ウイルスと、ウイルスが侵入する動物細胞の間に相性があるからで、相性がないと感染しない。
渡り鳥などが常に持っているトリA型は弱毒性で、ヒトには感染しないとされてきた。ところが97年に強毒性に変異したウイルスがニワトリに大流行し接触した人に感染したのである。
ニワトリやアヒルなど身近にいるトリに感染したウィルスが突然変異を起こしてヒトへの感染力を獲得することがある。
またブタの細胞はトリ、人間の両方のウィルスに相性がよいので、両方に感染したブタではこの2種類のウィルスが遺伝子交換によって、新型のウィルスが生まれ、ヒトに感染し易いものが出来る恐れがあるのである。
今回もブタにトリインフルエンザウィルスの感染が見つかったという報告はあるが、幸いに新型ウィルスの誕生には至っていないようである。
ヒトは新型ウィルスには抵抗力を持ってないから、流行は瞬く間に広がり、毒性が強いので多数の死者を出すことが想定される。
研究機関では新型インフルエンザのワクチン作成を急いでいる所だが、完成までには時間が必要だそうだから、それまで各人で自衛が肝要である。
(2004.02.26)
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